以前のろまだった私は、事務の仕事をしていた時、仕事が遅いと指摘された経験があります。
そんな私ですが、のろまな自分ととことん向き合い、改善することで変わることができました。今の職場では、のろまな印象は持たれてないようです。さらに、『〇〇さんは、何でもできますよね!』など、お世辞だとしても嬉しいコメントをもらったりします。
どうやって私が変わったのか、是非『のろまな自分の治し方①〜③』をご覧ください。そして、今回の④では、職場での考え方についてご紹介します。
みなさんは相手の反応が気になって、何かやる際に時間が掛かってしまう事ってありませんか。
そんなあなたは、もしかして相手を下に見ているのかもしれません。信頼していないのかもしれません。
え?どう言う事?と思われるかもしれませんね。相手に迷惑がかからないか、気にしているだけで、決して相手を下に見ているつもりはない、と感じるかもしれません。
しかし、些細なことをあれこれ模索するのは、相手が些細なことで簡単に気分を害するような人であると下に見ているのかも知れませんよ。
全てに当てはまる事ではないですし、相手の気持ちを想像して行動する力も必要である事は間違いないです。けれど、いつも時間をかけ過ぎてしまう人は、今からお伝えする考え方も時として必要であると頭の片隅に置いておいて欲しいのです。
この問題どう解決する?
さて、早速ですがこんな時あなたならどうしますか。
あなたは、職場で勤務地の違う社内の人から定期的に社内便を受け取っています。相手の人は、何度も行うやり取りを簡素化するために、宛先と送り主を記入した用紙を作成してくれました。裏面には、宛先と送り主が逆になったものが記入されており、返却する際には、用紙を裏返せばスムーズなやり取りができるというわけです。
さて送り返す際、あなたは一つ気になりました。宛先の名前に敬称がないのです。
例えば、送る相手が田中さんだとすると、【〇〇課 田中』と書いてあるのです。田中さんが作ってくれた用紙ですので、納得の文ですが、あなたからしたら返却する時には【様】をつけたくなるのではないでしょうか。そこで質問です。あなたはこんな時どうしますか?
もし、サクッと自分の行動が決まった方はこの先を読み進めていただく必要はありません。しかし、悩んでしまった方、この後もどうぞ読み進めてみてください。きっとあなたにとって良いヒントになるはずです。
悩まれた方、どんな風に悩みましたか。
例えばこんな感じでしょうか。
『どうしよう、様と書いてしまおうか、けれど、田中さんが作ってくれた用紙だから書き足すのは失礼なのではないか。いやいや様がないのはそれこそ失礼、書くしかないだろう。んー、けれどせっかく作ってくれた用紙なのに、自分が様を書いた事で田中さんは次回送付の際に再度用紙を作り直す羽目になるのではないだろうか。せっかく簡素化してくれたやり取りなのに、これでは本末転倒。いっそのこと、こちらはこちらで用紙を作ったらどうだろうか。でもせっかく田中さんが作ってくれた物を活用しないのは失礼なのではないか…。一体どうしたら良いのだろうか。どうするのがマナーとして正解なのだろうか…。』
もしこんな感じで悩まれた方、封筒の返却作業にだいぶ時間がかかりましたね。
解決策は?
田中さんを信頼してみるのはどうですか。
田中さんがどう考えるかは、田中さんにしか分かりません。あれこれ田中さんの気持ちを想像してもきっと一生分かりません。
ですから、これをしたら相手が怒るであろう、不快に思うであろう、と想定するレベルをグッと高く引き上げるのです。相手はこんな些細な事を怒るような器ではない、こんな些細なことで不愉快に感じるような器ではない、大きな器の持ち主であると信頼するのです。
以前の私だったらあれこれずっと悩んでいたと思います。しかし今の私は、“テプラか手書きで上から【様】を付け足す”という解決策がすぐに決まります。田中さんは用紙を作る際の礼儀として自分の名前に様は付けませんでした。ですが、こちらが様を付けたのであれば、もうこちらが付けた【様】を受け入れてそのままその紙でやり取りを続けてくれるだろうと考えます。もし田中さんが気にする方だった場合、作り直されるかもしれませんが、その時はその時。次に書類が届いた時に、新たな対応を考えたら良いかな〜と思う程度です。
これは私の思う解決策ですが、実際はどんな案でも良いのだと思うのです。相手の事を思って自分の最善策をしたら良いのです。違ってたら、次変えたらよいだけなのです。
以前の私は…
私は、上司や同僚と簡単なやり取りがあるような仕事に非常に時間をかけていました。自分が行った行動に対して、相手はどう思うのか、を常に考えていたのです。一見相手想いの優しさのようにも感じますが、今振り返り考えると、自分がよく見られたいという自分本位な考えからきていたような気もします。そして、自分以外の人が何を考えているかなんて、考えても答えは出ないのですが、その頃の私はひたすら答えを探していました。ああでもない、こうでもない、やっぱりこうしたら喜んでもらえるのではないか、満足してもらえるのではないか、いやいや、やはりこれでは迷惑が掛かるのではないか、と答えのない迷路に迷い込んでいました。
相手の事ばかり考えていては仕事は進みません。
ではここで、想像してみてください。どんな些細なことにも、ひとこと文句を言ってくる上司がいるとしましょう。仕事を受ける時の聞き方が悪い、話を聞く時の頷くタイミングが違う、話し方のテンポが悪い、書類の渡し方が違う、果ては、立ち上がって右に進んだら、なぜ今右に行ったのか、今は左から行くべきだろうと言ってくる上司がいると想像してください。こんな上司の下で働いていたら、どうしたら指摘されずに済むのか考えだして動けなくなりませんか?のろまどころか、がんじがらめになって一歩も進まないかもしれませんね。
もしこんな上司と、相手のことばかり考えてしまう人が仕事をするとしたら、もう大変なことになるでしょう。指摘を受けないように、細かな行動に無駄に注意を払いすぎて、あれこれ考えて仕事は全く進みませんね。
実際にはこんな上司はなかなかお会いできないと思いますが、相手の事ばかり考え過ぎると仕事というものは進みません。
ですから、相手の器は大きいと無条件に信頼するよう意識的にかえてみませんか。
すると、行動がとてもシンプルになり、仕事のスピードもあがります。
怒られるのではとビクビクしている人は、相手の器を小さく見積もっています。
小さな器でも大きな器でも、自分が相手をどう思っているのかはちゃんと相手に伝わります。不思議なもので、あなたが想像した通りの器の持ち主としてあなたに接してくれますよ。
もう関係が構築されてしまっていると、変化もなかなか難しいかもしれません。そんな時は、転職を機にぜひ試してみてくださいね。


